サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254)

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254)


サブプライムローン問題の構造、各プレイヤーの思惑を分かりやすく描いた理性的な本。
理性的と書いたのは、その責任を特定のプレイヤーに負わせることなく
歴史的経緯を踏まえ、淡々と記述していることから。


特に印象に残ったのが証券化商品へAAAの大盤振る舞いをした
格付け機関の責任者のコメント

格付け機関のAAAというのは何の責任もないひとつの参考意見というのが法的な位置づけだ。
したがって、仮に格付けがおかしいといわれても、責任はない。
投資の責任はあくまで投資家の自己責任であって、格付け機関の知るところではない。

何この外野席からの発言、お前らおもいっきり当事者じゃねーか
そもそも格付け機関としての自負というか、プライドというか・・・


などと青臭いことを考えるも、彼ら格付け機関
自分達に資金を出してくれる証券会社のために行動したわけで、それには合理性がある。
そして同様のことが各プレイヤーにも言えるのだ・・・。



【目次】

第一章 住宅バブルを生んだ社会的な背景、時代的理由
第二章 サブプライムが略奪的貸付に変質した理由
第三章 サブプライム問題の露呈
第四章 サブプライム問題への対策と現実
第五章 サブプライム問題の今後
第六章 終わりのはじまり

著者春山昇華