沈まぬ太陽

見終わった後は何となくもやっとした気持ちが残った。
カタルシスはない、継続の物語なのだろう。


もやっとした気後の背景は恩地を理解できなかったことにある。
「恩地はあんなにされてまで、なぜ会社を辞めなかったのか?」
「2度目のアフリカの"沈まぬ太陽"を受け入れた恩地の心情はどういうものなのか?」


一般的な解答ならばそれは導き出すことができよう。
すなわち、過去自分を信頼し、付いてきてくれた人々に対しての義理
アフリカの大地から伝わってくる生命の雄大さ・はかなさ・かけがえのなさ
しかし、これらの問いにに自分なりの、腹に落ちる答を出すのには
もうしばらーく時間がかかりそうだ。


沈まぬ太陽」は矜持の物語でもある。
巨大な組織の前に翻弄される人々の矜持



翻って現在、JALは何度目かの経営危機を迎えている。


外部からやってきた人ができるのは、財務的なリストラだとか外科的な処置まで。
JALがまっとうな企業として再生するには、劇中にもあったように
会社の中の人による、継続的な活動が必要不可欠なのだ。


JALは、自らをナショナルフラッグキャリアと名乗るのであれば
ナショナルフラッグキャリアとしての矜持を見せなければならない。
それは決して張り子の虎であってはならないはず。


最後に、俳優陣がいずれも素晴らしく、物語に没頭できたことを感謝したい。